JCRファーマ「テムセル(R)HS注」製造販売後調査のサポート業務を開始 ―学会データベースを用いた新たなスキームによる調査―
キッセイコムテック株式会社(本社:長野県松本市,代表取締役社長:神澤鋭二,以下「キッセイコムテック」)は,JCRファーマ株式会社(本社:兵庫県芦屋市,代表取締役会長兼社長:芦田信,以下「JCRファーマ」)が製造販売する「テムセル(R)HS注」(※1)の製造販売後調査(※2)に関して受託した業務の運用を,2017年3月より開始したことをお知らせ致します。
JCRファーマは,医薬品等の研究開発から製造,販売までを一貫して行う医薬品メーカーであり,希少疾病用医薬品分野を中心とした研究開発型企業として,独自のバイオ技術,細胞治療・再生医療技術を活かしたアンメット・メディカルニーズ(※3)に応える最先端の新薬開発に取り組んでおります。
JCRファーマでは2016年2月に,日本初の他家由来再生医療等製品(※4)として,ヒト間葉系幹細胞(MSC)を用いた急性移植片対宿主病治療製品「テムセル(R)HS注」を世界で初めて販売開始し,再審査期間中の本製品を使用した全例を対象とした使用成績調査の実施が義務付けられました。
一方,造血細胞移植医療領域においては既に,日本造血細胞移植学会及び日本造血細胞移植データセンター(以下「JDCHCT」)による,「造血細胞移植登録一元管理プログラム」(以下,「TRUMP」)を利用した「造血細胞移植医療の全国調査」が実施されており,「テムセル(R)HS注」使用成績調査のデータ収集はJDCHCTが運用するTRUMPを介して入手することとなりました。
キッセイコムテックはCRO(※5)として「テムセル(R)HS注」における使用成績調査に関する業務を受託し,TRUMPとのデータ連携システムの構築をはじめ,TRUMPを用いた新たなスキームでの使用成績調査におけるデータマネジメントを実施するための各種手順等の準備をJCRファーマ及びJDCHCTと共に行って参りました。
本年3月より,TRUMPからのデータ送信が開始され,データ連携及びデータマネジメント業務を滞りなく開始致しました。またキッセイコムテックでは,同調査における統計解析業務も受託し,使用成績等定期報告並びに再審査に向けた統計解析業務についてもJCRファーマをサポートしていきます。
https://www.kicnet.co.jp/solutions/cro/
※1. 「テムセル(R)HS注」は,造血幹細胞移植後に発症する重篤な合併症である急性移植片対宿主病(急性GVHD)の治療製品として,2015年9月に製造販売承認を取得し,2016年2月より販売されている日本初の他家由来の再生医療等製品です。
※2. 製造販売後調査(Post Marketing Surveillance)とは,新たに販売が開始された医薬品や再生医療等製品の品質,有効性及び安全性に関する情報の確認と,当該製品の開発段階において得られなかった新たな副作用等の情報を得るために実施される調査の総称です。
※3. アンメット・メディカルニーズとは,現時点で治療法等が確立されていない疾患等に対する医療ニーズを指します。
※4. 再生医療等製品とは「人、又は動物の細胞に培養等の加工を施したものであって,身体の構造・機能の再建・修復・形成するもの,あるいは疾病の治療・予防を目的として使用するもの」,また「遺伝子治療を目的として,人の細胞に導入して使用するもの」と定義される新たな分野を指します。
※5. CRO(Contract Research Organization)とは,製薬会社等が医薬品や医療機器等の開発中の臨床試験(治験)や市販後安全対策及び製造販売後調査等における業務を受託する企業を指します。