マウス、ラット等の実験動物の自発運動量を計測し、薬理試験・実験・研究・教育などに用いる小型の運動量計です。

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一匹毎にnano tagを装着するため、一つのケージ内で複数匹の運動量を同時に計測することができ、従来難しかった集団活動や、親子間の関係などを計測することができます。また、集団行動する動物においては、ケージ内に一匹というストレスがかかる状態でなく、群飼育することで自然な状態での計測が行えます。
 

運動量と温度が計測可能

nano tagは、運動量と温度(*1)を連続で計測します。
運動量は3軸の加速度センサーから、温度は温度センサーから取得します。

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計測例(ラット):日精バイリス株式会社 滋賀研究所にて計測

※1 本体内に温度センサーがあるため、計測される温度は計測装置内の温度となります。

1ケージ内で複数匹の計測が可能

データは計測装置内に保存されますので、同一ケージ内で複数匹を飼育しても、計測データに影響を与えません。

60日間の計測が可能

内部に電池を搭載しており、約60日間(*2)の計測が行えます。
計測装置の電源をOFFにすることにより電池の消耗を自然放電のみとすることができます。
温度のみを記録する場合には、より省電力となり、最長で約180日間の計測も可能です。
また、タイマー予約機能(*3)により、自動的に計測の開始/停止を制御することもできます。

*2 24時間測定で、通信1日1回2分以内で利用された場合の目安です。
利用方法によっては、60日間計測できない場合もございます。
60日間計測できるのは、ご購入後1年以内が目安になります。
1年以上経過した場合には、電池の自然放電により、計測日数が60日に満たない場合があります。
*3 タイマー予約を設定した場合、収録せずに待機している時間も電池が消耗します。
そのため、タイマー予約の待機時間が長くなった場合、60日間の収録ができない場合がございます。

FeliCa通信対応

計測したデータは、nano tag本体に保存されます。
保存したデータは、FeliCa通信によってパソコンへ取り込みます。
nano tagを動物に埋め込んだ状態でも、通信距離が1cm以内であれば、計測の開始・停止やデータの読み込みが行えます。

ディスポーザブル

nano tagは、ディスポーザブル(使い捨て)となります。
小型軽量化および完全防水の構造上、電池交換は行えません。

小型で軽量

サイズは、18.8×14.2×7.1mm、重さは約2.7g(電池含む)です。

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体内固定用の穴

体内に固定するための穴を3箇所用意しております。

運動量の計測について

運動量の計測においては、振動数を計測しています。

【振動数】
3軸加速度センサーにて計測したXYZの合成波に対して、単位時間当たりに閾値を下から上に横切った回数(振動数)を運動量としてカウントしています。

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※閾値については、任意に設定が可能です。

記録間隔と記録可能日数

運動量
記録間隔 記録なし 12秒 30秒 1分 2分 4分 5分
温度 記録なし - 9 20 36 60 60 60
30秒 22 6 10 - - - -
1分 45 7 13 20 - - -
2分 90 8 16 25 37 - -
4分 180 8 18 30 47 60 -
5分 180 8 18 31 50 60 60
10分 180 - - - - - -
単位:日数

例えば、運動量および温度の記録間隔を1分(*1)に設定した場合、最大で20日間(*2)の計測が可能です。この場合、1分毎に計測データが保存されます。

*1 運動量と温度の記録間隔は、個別に設定可能です。
(例えば、運動量は1分、温度は2分毎の間隔で計測することもできます。)*2 上記日数の制限は、内部に搭載されているメモリ容量と電池によるものです。
メモリが一杯になる前に(*3)適時データをパソコンへ取り込んでおけば、最大60日間までの計測が可能です。

*3 計測モードには、「メモリフルで停止」と「ループ」(メモリフルで再び先頭から上書きする)、「任意時刻指定」(開始および停止の時刻を任意に指定する)の3種類がございます。
連続で長期間の計測を行う場合は、「メモリフルで停止」以外のモードを選択してください。

データの読み込み

データ読み込みには、別途nano tagビューアプログラム「nano tag Viewer」が必要になります。
nano tagの設定やデータの読み込みは、FeliCa通信を使用します。
USBケーブルで延長することにより、動物に近づけてデータの取り込みを行うことも可能です。
通信の開始時、終了時を音で知らせますので、通信時に画面を見ている必要はありません。

非接触ICカードリーダー/ライター(FeliCa端末)

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PaSoRi(パソリ)

体内への埋め込みについて

皮下に埋め込む場合は、nano tagのアンテナ部分が外側になるように埋め込んでください。
アンテナ部分が内側だったり、1cm以上離れると通信が行えませんので、ご注意ください。

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【注意】
アンテナが外側(電池は内側)になるように埋め込んでください。
(電池側にはID番号などが書かれています)

腹腔など、体表面から1cm以上深いところに埋め込む場合は、nano tagの計測を開始してから体内に埋め込み、体内から取り出してからデータの読み込みや計測停止をしてください。カードリーダーとnano tagの距離が1cm以上になると通信が行えませんので、ご注意ください。

仕様

検出方法 3軸加速度センサー、温度センサー
通信方法 近距離無線通信(FeliCa方式 通信距離:約10mm)
時計精度 月差±60秒
内部電池 CR1220(電池の交換はできません)
電池寿命 約60日*(ご購入後1年以内 24時間測定で、通信1日1回2分以内)
計測モード 1:ループ、2:メモリフルで停止、3:任意時刻指定
運動量
温度
データ
運動量 振動数
温度 10〜45.875℃ 計測温度幅15.875℃(分解能:0.0625℃、誤差:±0.5℃)
保存周期 12秒 30秒 1分 2分 4分 5分
保存日数 4日 10日 20日 37日 60日 60日
3軸加速度データ 合成波:約27分、生値:約9分 約25Hz
サイズ 18.8mm × 14.2mm × 7.1mm(固定用穴付き)
重量 約2.7g
材質 ABS樹脂、エポキシ系接着剤
*温度のみを記録する場合には、より省電力となり、最長で約180日間の計測も可能です。

nano tagは、株式会社アコーズの登録商標です。
FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードの技術方式です。
パソリは、ソニー株式会社の登録商標です。

以下のプログラムと連携しています。

nano tagビューアプログラム nanotag Viewer

nanotag_viewer  nanotag_viewer

nano tagの設定やデータの読み込み、グラフ表示やCSV出力などが行えます。

【nanotagの制御】

  • 計測モード設定 , 初期化
  • 計測開始、停止
  • データの読み込み

【nanotagデータ処理】

  • グラフ表示、印刷
  • CSV出力
  • データ集計

動作環境

パソコン 使用するOSの推奨スペック以上とします。
USBポート2個以上
内蔵NFCポート・内蔵Felicaポートなし
OS ・Windows 10 Pro 64bit
・Windows 11 Pro 64bit

価格

運動量計測装置

商 品 名 型 式 定 価(税込) 備 考
nano tag(5 pack) VSMN210/5p \121,000
(税抜\110,000)
@\24,200
(税抜\22,000)
nano tag(10 pack) VSMN210/10p \242,000
(税抜\220,000)
@\24,200
(税抜\22,000)
nano tag(20 pack) VSMN210/20p \484,000
(税抜\440,000)
@\24,200
(税抜\22,000)

ソフトウェア

商 品 名 型 式 定 価(税込) 備 考
nano tagビューアプログラム nanotag/Viewer \330,000
(税抜\300,000)
(※1)
※1 運動量計測装置「nano tag」を利用するために別途必要となります。運動量計測装置「nano tag」の計測条件の設定、計測開始・停止、運動量/温度データの読み込み、表示、CSV出力ができます。

周辺機器

商 品 名 型 式 定 価(税込) 備 考
非接触ICカードリーダー/ライター
PaSoRi(パソリ)
RC-S380 OPEN SONY社製
(※2)
※2 1mのUSBケーブルが添付されております。

デモンストレーション(nano tagを試用されたいお客様向け)

商 品 名 型 式 定 価(税込) 備 考
運動量測定装置デモ用セット VSMN210/Demo Set \38,500
(税抜\35,000)
(※3)
※3 本製品は評価用キットです。nano tag(1台)とnano tagビューアプログラム(デモ版)が含まれます。

 

※別途、非接触ICカードリーダー/ライターが必要になります。

※ビューアプログラム(デモ版)の機能は、製品版と同等ですが、以下制限がございます。
・同封されるnano tagのみ利用可能です(別のnano tagでは動作いたしません。)
・デモ用セットを複数購入することも可能ですが、nano tagとビューアプログラムはセット(対)になっておりますので、nano tagが変われば、ビューアプログラムに添付されているUSBドングルも付け替える必要がございます。

nano tag を研究にお使いいただいた実績を、 一部ご紹介させて頂きます。

年度 論文
2024 Risperidone suppresses caffeine-induced hyperthermia and hyperactivity in rats
Manabu Takano, Tsuyoshi Okada, Katsutoshi Shioda, Chikara Yonekawa, Shiro Suda
Neuroscience Letters 840 (2024) 137960
DOI: https://doi.org/10.1016/j.neulet.2024.137960
2024 A novel methodology utilizing microchip implants to monitor individual activity and body temperature for assessing knee pain in group-housed rats
Shoichi Hasegawa, Riko Yamashita, Yusuke Nakagawa, Kazumasa Miyatake, Hiroki Katagiri, Tomomasa Nakamura, Hideyuki Koga, lchiro Sekiya, Toshitaka Yoshii, Vicki Rosen, Kunikazu Tsuji
Scientific Reports, volume 14, Article number: 16909 (2024)
DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-024-67024-7
2024 Supplementation with autologous adipose stem cell-derived mitochondria can be a safe and promising strategy for improving oocyte quality
SanathUdayangaKankanamGamage, ShuHashimoto, YukiMiyamoto, TatsuyaNakano, MasayaYamanaka, HidekiKitaji, YukiTakada, HiroshiMatsumoto, AkikoKoike, ManabuSatoh, MasakoIchishi, MasatoshiWatanabe, YoshiharuMorimoto
Journal of Assisted Reproduction and Genetics
DOI: https://doi.org/10.1007/s10815-024-03137-2
2023 Enlarged housing space and increased spatial complexity enhance hippocampal neurogenesis but do not increase physical activity in mice
Daisuke Funabashi, Ryuki Tsuchida, Takashi Matsui, Ichiro Kita, Takeshi Nishijima
Frontiers in Sports and Active Living
DOI: https://doi.org/10.3389/fspor.2023.1203260
2022 Thermoregulatory heat-escape/cold-seeking behavior in mice and the influence of TRPV1 channels
Yuta Masuda, Riho Sakai, Issei Kato, Kei Nagashima
PLOS ONE, Published: November 16, 2022
DOI: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0276748
2022 Less invasive, simultaneous, and continuous measurements of locomotor activity and body temperature using the nano tag small accelerometer device in cynomolgus monkeys
Tomoyuki Kishida, Yoshiyuki Motokawa, Ryohei Yokoi, Shinji Souma
Journal of Pharmacological and Toxicological Methods
DOI: https://doi.org/10.1016/j.vascn.2022.107224
2022 Recommended doses of medetomidine-midazolam-butorphanol with atipamezole for preventing hypothermia in mice
Mizuho TASHIRO, Atsushi TOHEI
The Journal of Veterinary Medical Science
DOI: https://doi.org/10.1292/jvms.21-0479
2022 Social isolation is a direct determinant of decreased home-cage activity in mice: A within-subjects study using a body-implantable actimeter
Daisuke Funabashi, Yusuke Wakiyama, Naoya Muto, Ichiro Kita, Takeshi Nishijima
Experimental Physiology
DOI: https://doi.org/10.1113/EP090132
2020 Duration of thermal support for preventing hypothermia induced by anesthesia with medetomidine-midazolam-butorphanol in mice
Mizuho TASHIRO, Yuki HOSOKAWA, Hiromi AMAO, Atsushi TOHEI
The Journal of Veterinary Medical Science
DOI: https://doi.org/10.1292/jvms.20-0256
2020 Comparison of neurotransmitter levels, physiological conditions, and emotional behavior between isolation‐housed rats with group‐housed rats
Yuta Kaneda, Akira Kawata, Kota Suzuki, Daisuke Matsunaga, Mikinobu Yasumatsu, Takayuki Ishiwata
Developmental Psychobiology
DOI: https://doi.org/10.1002/dev.22036
2020 Simplified drug efficacy screening system for sleep-disorder drugs using non-human primates.
Keita Sakai, Akiyoshi Ishikawa, Yuri Mizuno, Takehiro Maki, Yasuhiro Oda, Eiki Takahashi
Heliyon. 2020 Mar 4;6(3):e03524.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2020.e03524.
https://www.hamri.co.jp/
2019 Continuous measurement of locomotor activity during convalescence and acclimation in group-housed rats
Takahiro YOSHIZAWA, Shin SHIMADA, Yoshito TAKIZAWA, Tsuyoshi MAKINO, Yasuhide KANADA, Yoshiharu ITO, Toshiaki OCHIAI, Kiyoshi MATSUMOTO
DOI: https://doi.org/10.1538/expanim.18-0097
2019 Hyperreflexia induced by XLR11 smoke is caused by the pyrolytic degradant.
Kyoko Hataoka Asuka KaizakiMitsumoto Mika TakebayashiOhsawa Natsumi Hattori Masahiko Funada Satoshi Numazawa
Forensic Toxicology
DOI:https://doi.org/10.1007/s11419-019-00476-z
2018 Does environmental enrichment increase locomotor activity in rats?
Evidence from an implanted sensor device

Mizuki Sudo, Toshiya Nagamatsu, and Soichi Ando
体力研究 BULLETIN OF THE PHYSICAL FITNESS RESEARCH INSTITUTE No.116 pp.29〜32 Apr., 2018
DOI: https://doi.org/10.20793/tairyokukenkyu.116.0_29
2017 Pyrolysis of UR-144, a synthetic cannabinoid, augments an affinity to human CB1 receptor and cannabimimetic effects in mice.
Kaizaki-Mitsumoto A, Hataoka K, Funada M, Odanaka Y, Kumamoto H, Numazawa S.
The Journal of Toxicological Sciences. 2017;42(3):335-341.
DOI: https://doi.org/10.2131/jts.42.335

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キッセイコムテック株式会社
公共・医療ソリューション事業部
TEL:0263-48-5551
製品名nano tag
分類計測装置:活動量 (動物用途)
製品概要動物用途向け体内埋め込み式の運動量計測装置
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