潜時・振幅差計測、マーキング、面積算出、ピーク検索、スムージング、適応相関フィルタなどの解析機能が用意された誘発電位研究用プログラム
特徴
- 最大32チャネル(オプションボード追加で最大32チャネルの計測可能)の誘発電位の記録と解析が行なえるプログラムです。
- 長潜時から短潜時誘発電位の記録と多トリガによる識別加算が行なえます。
- 潜時・振幅差計測、マーキング、面積算出、ピーク検索、スムージング、適応相関フィルタなどの豊富な解析機能が用意されています。
- RAWデータの再加算処理によるアーチファクト除去や加算データの再作成、チャネル演算やグランドアベレージなどの編集機能を揃えています。
- 弊社製品「ATAMAPRII」との組み合わせにより誘発電位マッピングが行えます。
EPLYZERRIIは、次の2本のプログラムから構成されています。
- 誘発電位研究用プログラム(A/D変換のみ) EPLYZERRII-R(データ記録プログラム)
- 誘発電位研究用プログラム(解析のみ) EPLYZERRII-A(誘発電位解析&加算データ編集、RAWデータ再加算プログラム)
データ記録プログラムはA/D変換ボードを介して最大32チャネルの誘発電位をリアルタイムに加算し、ファイルとして保存します。誘発電位解析&加算データ編集、RAWデータ再加算プログラムは、面積算出、グランドアベレージなどの誘発電位解析が行えます。また、1つひとつの誘発電位波形(RAWデータ)を画面上で確認しながら分別加算が行えます。
各プログラムの機能
EPLYZERRII-R(データ記録)
- 最大32チャネルの誘発電位を記録できます(収録できるチャネル数はサンプリング周波数とパソコンのCPU速度によって上限があります)。
- 聴性脳幹反応(ABR)から事象関連電位(ERP)まで記録可能です。
- プリトリガ、ポストトリガによりトリガ点を任意に変更できます。
- 1チャネル当たり最大5000回の加算が行えます。
- 最大4種類のトリガ識別加算をリアルタイムに行えます。
- 加算平均された波形や生波形を記録中にリアルタイムに表示できます。表示するチャネルや表示間隔を自由に設定できます。
- 記録時にアーチファクト除去が行えます。除去したアーチファクトデータはRawデータファイルとして保存します。但し、加算波形には加算されません。
- 記録中にZERO DRIFT、基線算出処理が行えます。
- 記録した1つ1つの誘発波形をRawデータファイルに保存できます。
EPLYZERRII-A(誘発電位の解析&加算データ編集)
- 最大20ファイルを同一ウインドウ上に表示、解析ができます。
- 数値読み取り、潜時・振幅差計測、マーキング、面積算出、ピーク検索、スムージング、適応相関フィルタなどの豊富な解析機能が用意されています。
- 潜時・振幅差計測、マーク位置の電位、面積算出、ピーク検索で得られた解析数値又は加算データ(数値リスト)は他のアプリケーション(表計算ソフト)とのデータリンクが行えます。又、加算データを直接テキストファイルとして出力することも可能です。
- 波形の単項演算や波形間での四則演算が行えます。
- 最大999ファイルからグランドアベレージを求めることができます(同一記録条件のファイルに限る)。
- 複数のファイルから必要な波形を抽出できます(同一記録条件のファイルに限る)。
- 校正情報、基線算出が一致しなくても加算データの編集が可能です(チャネル数の不一致時の加算データも編集可能)。
- 加算データは弊社製品「ATAMAPRII」で誘発電位マッピングを行うことができます。
EPLYZERRII-A(RAWデータ再加算)
- RAWデータファイルから加算データを作成できます。
- 加算データの作成方法には、マニュアル加算と自動加算が用意されています。マニュアル加算では、1つ1つの誘発波形を確認しながら加算と排除が行え、自動加算では設定条件による分別加算が自動的に行われます。
- トリガ位置の変更が行えます。
- RAWデータを直接テキストファイルとして出力できます。
<画面サンプル>
データ記録(EPLYZERRII-R)
パソコン
推奨スペック |
・OS:Windows10 Pro 64bit, Windows11 Pro 64bit |
---|
(注2)Windows7の場合、USB3.0では正常に動作しないことがあります。
A/D変換装置(注3)
インターフェース | 型式 | メーカー | ボードサイズ(mm) |
---|---|---|---|
PCI Bus | AD16-16U(PCI)EV | CONTEC | 176.41(L)×106.68(H) |
PCI Express | AIO-161601UE3-PE | CONTEC | 169.33(L)×110.18(H) |
USB2.0 | AIO-163202FX-USB | CONTEC | ー |
32chのデータ収録を行う場合は、メインのA/D変換ボードとは別に次のオプションボードが必要になります。
使用するA/D変換ボード | 16ch増設用アクセサリ | メーカー名 |
---|---|---|
AD16-16U(PCI)EV | ATUH-16A(PCI) | CONTEC社 |
AIO-161601UE3-PE |
参考)AIO-161601UE3-PE(CONTEC社)の仕様
波形入力 |
最大32チャネル |
---|---|
入力波形モニタ |
32チャネルフルモニタ |
対応バス |
PCIex1 |
A/D変換分解能 |
16Bit |
入力レンジ |
±5V、±10V |
TTL入力 |
可(別途ケーブルが必要) |
短潜時誘発電位記録 |
可 |
トリガ種類 |
ポストトリガ、プリトリガ |
トリガ識別数 |
4 |
記録チャネル数 |
オプションボードにより最大32チャネルまで可能 |
サンプリング周波数(Hz) |
100、200、250、256、500、512、1000、2000、2500、5000、10000、20000、25000、50000 |
最大加算回数 |
1チャネル当たり5000回 |
最大記録時間 |
60秒(条件によって短縮する可能性あり) |
アーチファクトの除去 |
可 |
ZERO DRIFT処理 |
可(基線算出処理の可能) |
RAWデータ保存 |
可 |
ボードサイズ(mm) |
169.33(L)×110.18(H) |
その他ハードウェア
A/D変換装置とBNCジャック出力端子がある生体アンプ、データレコーダとの接続には、別途次の製品が必要になります。
使用するA/D変換装置 | 別途必要となるハードウェア |
---|---|
AD16-16U(PCI)EV | シールドケーブル [PCB37PS-0.5P](0.5m) バッファアンプ [ATBA-16E] シールドケーブル [PCB37PS-1.5P](1.5m) BNC端子台 [ATP-16E] BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 |
AIO-161601UE3-PE | |
AD16-16U(PCI)EV +ATUH-16A(PCI) |
※以下が2セット分必要になります シールドケーブル [PCB37PS-0.5P](0.5m) バッファアンプ [ATBA-16E] シールドケーブル [PCB37PS-1.5P](1.5m) BNC端子台 [ATP-16E] BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 |
AIO-161601UE3-PE +ATUH-16A(PCI) |
|
AIO-163202FX-USB (32chまで) |
シールドケーブル [PCB96PS-0.5P](0.5m) バッファアンプ [ATBA-32F] シールドケーブル [PCB96PS-1.5P](1.5m) BNC端子台 [ATP-32F] BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 |
サンプリング周波数と記録可能チャネル数
記録可能なチャネル数は使用するパソコンのCPU処理速度とA/D変換ボードにより異なります。サンプリング周波数と記録可能チャネル数の関係は次表のようになります(トリガをアナログ入力した場合)。
パソコン(CPU) | A/D変換ボード | サンプリング周波数と記録可能チャネル数 | |||
---|---|---|---|---|---|
EPSON AT992 (Corei5 3.1GHz) |
AD16-16U(PCI)EV | 1KHz | 2KHz | 5KHz | 50KHz |
32 | 32 | 32 | 5 |
データ容量の目安
加算データファイル、RAWデータファイルの容量は下記の計算式によって求められます。
加算データファイル |
---|
分析時間 (msec) ÷ 1000 × サンプリング周波数 (Hz) × チャネル数 × 2Byte + 5000Byte (ヘッダ) +300000Byte (製品毎のヘッダ) |
RAWデータファイル | |
---|---|
分析時間 (msec) ÷ 1000 × サンプリング周波数 (Hz)× チャネル数 × 2Byte× 加算回数 + 5000Byte (ヘッダ)+ 300000Byte (製品毎のヘッダ) |
誘発電位の解析&加算データ編集(EPLYZERRII-A)
ソフトウェア仕様
同時表示、解析可能なファイル数 |
20 |
---|---|
波形の数値(電位、時間)読み取り |
可 |
潜時計測(潜時、振幅差) |
可 |
マーキング |
可(50ケ) |
区間の面積算出 |
可(陰性、陽性、合計で表示) |
ピーク電位位置の検索 |
可 |
スムージング(移動平均) |
可(単純移動平均、多項式適合法、ウインドウによる重みづけ移動平均) |
適応相関フィルタ※ |
可 |
基線算出区間の設定 |
可 |
極性の変更 |
可 |
解析区間の設定 |
可 |
波形実寸表示 |
可 |
波形の拡大、縮小 |
可 |
波形の移動、重ね描き |
可 |
基線の表示、非表示切り替え |
可 |
表示波形の変更 |
可 |
縦軸スケールの変更 |
可 |
波形のスクロール |
可 |
解析数値の出力 (面積、潜時・振幅差など) |
可(画面、プリンタ、コピー&貼り付け) |
加算データのテキストファイル出力 (エクスポート) |
可(ファイル拡張子 〜.KCT) |
波形印刷 |
可 |
キッセイコムテック 共通Rawデータファイル |
可(データ数のよって読み込めるデータに制限あり) |
キッセイコムテック 共通解析データファイル |
可(データ数のよって読み込めるデータに制限あり) |
EPLYZERデータの読み込み (インポート) |
可(データ変換による) |
テキストファイル入力 (インポート) |
可(テキストファイルの書式に指定あり、ファイル拡張子 〜.KCT) |
編集機能 |
複数ファイル間の波形による2項演算、平均データ算出、波形の単項演算、グランドアベレージ |
※適応相関フィルタ
適応相関フィルタとは 非同期的で未知のパターンの波形を推定する場合に、簡便で有効な方法の一つとして適応相関フィルタ処理が挙げられます。例えば、P300の場合、通常十数回の生波形の刺激位置を基準とした加算平均を行いますが、分裂病患者等が対象の場合は、一回毎の試行で潜時のバラツキが大きく、単純に加算してしまうことは正しいP300成分を見逃してしまう可能性もあります。1回毎に潜時位置と推定の度合を判断することが可能であれば、より多くの情報が得られるとして考えられたのが適応相関フィルタといえます。
- RAWデータを使用して適応相関フィルタ処理を行った後、有意なRAWデータのみを判断して自動的に加算平均を行います。
- 簡単なパラメータを設定するだけで、誘発電位の潜時、相関係数をビジュアルに表現します。
- 誘発電位の加算波形からではなく、個々のRAWデータから潜時を推定したい研究者の方には最適なプログラムです。
RAWデータ再加算(EPLYZERRII-A)
ソフトウェア仕様
加算方法 (複数RAWデータ同時表示可能) |
マニュアル加算 |
---|
自動加算
・条件なしによる加算
・レベル、タイムウインドによる加算波形の数値(電位、時間)
読み取り可トリガ点の設定可波形実寸表示可基線算出区間の設定可波形の拡大、縮小可基線の表示、非表示切り替え可表示波形の変更可波形の移動不可(チャネル毎独立している)縦軸スケールの変更可波形のスクロール可RAWデータのテキストファイル出力可(ファイル拡張子 〜.TXT)
システム構成例(デスクトップパソコン)
デスクトップパソコンでアナログ信号を収録するためには、A/D変換ボードとバッファアンプ、BNC端子台などが必要になります。また、17ch以上で計測する場合は増設アクセサリなどが別途必要になります。
本プログラムで使用できるA/D変換ボードは、次の2種類です。
製品 | I/F | 入力 チャネル数 |
分解能 | 入力 レンジ |
サイズ[mm] |
---|---|---|---|---|---|
AD16-16U(PCI)EV | PCI Bus | 16 | 16bit | ±5v ±10v |
176.41(L)×106.58(H) |
AIO-161601UE3-PE | PCIex1 | 169.33(L)×110.18(H) |
<構成例>
商 品 名 | 型 式 | 定 価(税込) | メ ー カ ー | |
---|---|---|---|---|
(1) | 誘発電位研究用プログラム EPLYZERU |
\1,056,000 (税抜\960,000) |
キッセイコムテック | |
(2) | パソコン ※1 | 概算:\330,000 (税抜\300,000) |
HPなど | |
(3) | A/D変換ボード(16ch記録用)PCI Express ※2 | AIO-161601UE3-PE | \175,230 (税抜\159,300) |
CONTEC |
(4) | シールドケーブル(0.5m) | PCB37PS-0.5P | \7,590 (税抜\6,900) |
CONTEC |
(5) | バッファアンプ機能増設ボックス | ATBA-16E | \51,590 (税抜\46,900) |
CONTEC |
(6) | シールドケーブル(1.5m) | PCB37PS-1.5P | \7,810 (税抜\7,100) |
CONTEC |
(7) | BNC端子台 | ATP-16E | \22,550 (税抜\20,500) |
CONTEC |
(8) | BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 | OPEN | ||
合 計(概算含) | \1,705,770 (税抜\1,550,700) |
|||
32ch 記録用 追加オプション | ||||
16ch増設アクセサリ | ATUH-16A(PCI) | \27,500 (税抜\25,000) |
CONTEC | |
シールドケーブル(0.5m) | PCB37PS-0.5P | \7,590 (税抜\6,900) |
CONTEC | |
バッファアンプ機能増設ボックス | ATBA-16E | \51,590 (税抜\46,900) |
CONTEC | |
シールドケーブル(1.5m) | PCB37PS-1.5P | \7,810 (税抜\7,100) |
CONTEC | |
BNC端子台 | ATP-16E | \22,500 (税抜\20,500) |
CONTEC | |
BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 | OPEN |
※2:32chの収録は、別途上記のオプションが必要です。
システム構成例(ノートパソコン)
ノートパソコンでアナログ信号を収録するためには、A/D変換ユニット(USB)とバッファアンプ、BNC端子台などが必要です。この構成で32chまで計測できます。
名称 | I/F | 入力チャネル数 | 分解能 | 入力 レンジ |
---|---|---|---|---|
AIO-163202FX-USB | USB2.0 | 32 | 16Bit | ±10V |
<構成例>
商 品 名 | 型 式 | 定 価(税込) | メ ー カ ー | |
---|---|---|---|---|
(1) | 誘発電位研究用プログラム EPLYZERU |
\1,056,000 (税抜\960,000) |
キッセイコムテック | |
(2) | ノートパソコン ※1 | 概算:\330,000 (税抜\300,000) |
HPなど | |
(3) | アナログ入出力ユニット (USB対応) |
AIO- 163202FX-USB |
\202,510 (税抜\184,100) |
CONTEC |
(4) | シールドケーブル(0.5m) | PCB96PS-0.5P | \14,300 (税抜\13,000) |
CONTEC |
(5) | バッファアンプ機能増設ボックス | ATBA-32F | \77,220 (税抜\70,200) |
CONTEC |
(6) | バッファアンプ用ACアダプタ | POA200-20-2 | \10,120 (税抜\9,200) |
CONTEC |
(7) | シールドケーブル(1.5m) | PCB96PS-1.5P | \15,620 (税抜\14,200) |
CONTEC |
(8) | BNC端子台 | ATP-32F | \41,800 (税抜\38,000) |
CONTEC |
(9) | BNCケーブル(1.5m)×チャネル分 | OPEN | CONTEC | |
合 計(概算含) | \1,802,570 (税抜\1,638,700) |
Wavelet解析オプション
- EPLYZERURawデータファイル(kceファイル)をWavelet解析にかけることができます。
複素MorletWaveletを使用してWavelet解析します。
トライアル波形より、Wavelet Power、位相を算出します。 - トライアル波形のWavelet結果より各種指標を算出できます。
・Evoked Power (加算波形のWavelet Power)
・Total Power (トライアル波形のWavelet Powerの平均値)
・Induced Power (Total Power – Evoked Power)
・PLF (Phase Locking Factor)
解析項目
Wavelet解析
複素MorletWaveletによるWavelet解析
- 周波数レンジ指定、周波数分解能指定
- 時間分解能指定(最小値はΔtとなります。)
- トライアル波形のWaveletPower、位相の算出
解析指標
Evoked Power
- 加算波形のWavelet解析結果
- 刺激に同期した振動(誘発振動)を観測できます。
Total Power
- 各トライアル波形のWavelet解析結果の平均値
- 刺激に同期していない振動(誘導振動)を観測できます。
Induced Power
- Total Power − Evoked Power
- Evoked Powerを減ずることでより完全な誘導振動を観測します。
PLF(Phase Locking Factor)
- 各トライアル間の位相同期性の評価尺度
- 0≦ PLF ≦1(PLF≒1:位相角のばらつきが小さい)
出力
- 解析結果ファイル(kcewファイル)
- BITMAP出力 (解析指標のスカログラムのみ)
- CSVファイル出力 (解析指標、トライアル波形のWavelet Power、位相)
その他
- バッチ処理(kceファイルを一括解析して結果ファイルを保存)
お問い合わせ
キッセイコムテック株式会社
公共・医療ソリューション事業部
TEL:0263-48-5551
製品名 | EPLYZERU |
---|---|
分類 | 誘発脳波解析 |
製品概要 | 潜時・振幅差計測、マーキング、面積算出、ピーク検索、スムージング、適応相関フィルタなどの解析機能が用意された誘発電位研究用プログラム |
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